第四回 ラ・アトレ+小泉 学生実施コンペ

 

都市の賃貸集合住宅に住むということは、利便性を享受できる一方で、庭のない閉鎖的な空間に住むことになる。多くの場合、一階の外部スペースは、敷地の効率利用、日照、視線、法規等の観点から、周辺建物との単なる、緩衝空間として計画され、居住者の利用は制限される。

 

こうした建築物間の谷間。文字通り「陽の当たらない場所」ではあるが、この場所を積極的に活用することで、住まい方は変わってくる。もしかしたら、魅力ある住戸を創造するだけでなく、住民間の関係や、街と建物の関係性も変えていくかもしれない。

 

今回の実施コンペの舞台となる場所は、自由が丘にある築40年を超える4階建て賃貸集合住宅の1階。道路から一番離れた角部屋と、その前の外部空間である。 「すむ」ことを今一度見直し、賃貸集合住宅のこれからの住まい方を予見した「かたち」を提案してほしい。

 

4回目を迎え、新たに住宅設備機器総合商社である株式会社小泉が共催パートナーとなった。一昨年、創立70周年を迎えた同社は国内外のほとんどの住宅設備商品を取り扱うリーディングカンパニーである。新しいデザインや、新しいことに挑戦する若者を応援する企業風土を持っており、魅力的な住環境の提案を期待している。

 

最優秀賞

34 諸星佑香、石井優希 横浜国立大学

「外を纏う」

2016年7月7日

この度は第3回ラ・アトレ学生実施コンペ2016「すむ×かたち」に沢山のご応募を頂き、誠にありがとうございました。
7月6日に行いました一次審査の結果、8点の通過作品が選出されました。
8月2日(火)12時から「港区立商工会館」にて行われる公開二次審査で、最優秀賞を選定致します。
なお、二次審査は公開形式で行いますが、会場の都合上人数の制限があります。
観覧希望の方は、当企画サイトの「お問い合わせ」から予約を行ってください。
http://www.sumu-katachi.com/%E3%81%8A%E5%95%8F%E5%90%88%E3…/
※来場者及び全ての応募者には、当コンペ協賛会社の株式会社建築資料研究所様よりステキなプレゼントがございます!

一次審査通過者(受付順、敬称略)
19 竹澤洸人 工学院大学
25 田中陸美 芝浦工業大学
34 諸星佑香、石井優希 横浜国立大学
41 山本稜、大村聡一郎、平野巧也 東京理科大学
76 大橋貴洋、高橋沙織 千葉工業大学
84 小野直輝 東京芸術大学
85 小山恭史、伊藤亮祐、井上真由美、竹野水月、宝迫嘉乃、西島修悟、敦賀谷俊 日本大学
88 平井良拓、松下洋紀 千葉大学

以上の皆様です!
通過者へは近日中にメールにて二次審査の詳細を送らせて頂きます。どうぞよろしくお願いします。

2016年 4月11日(月)

第三回ラアトレ学生実施コンペを開催します。

先日、審査員長原田真宏さん、中川エリカさん、高野洋平さん、本多健さんが集まり、今年のコンペに対しての打合せをしました。

この話の内容は、facebookにて公開していきます。

2015年

8月

31日

審査員長 総評

総評(原田真宏 MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO 主宰 建築家        /芝浦工業大学 准教授)

□総評:登竜門としてのリノベーションデザイン

 第二回目となるラ・アトレ デザイン コンペティションは応募総数154名と前回にまして量、さらに質もともに大きく向上したという印象を受けました。このことは来るべきストック活用時代の到来を予感させるものでしたし、ひょっとしたら、現在の日本の建築家の有り様そのものまで変化していくのではないかというある種の“兆し”を感じさせるものでもありました。

 

 世界的に見ると日本の建築家のデビューの仕方はとても特殊です。というのも、この国では大抵の場合、デビュー作は「住宅」という新築の建築単体となることがほとんどで、ヨーロッパをはじめとする石造文化圏での建築家デビューが既存建築の内装等のリノベーションだという事実とは、あきらかな対照を見せているのです。

 

 リノベーションが既存建築などの実環境の質と対話するようにデザインせざるを得ないのに比較して、戸建の新築の場合には、まっさらに整地された敷地境界内で自由に自己の理念を表明することが可能です。モダニズム発祥以来、建築家の重要な使命と目されてきた「普遍的」な「理念」や「方法論」の提示といった、古典的な「建築家の本懐」を容易に遂げることのできるこの日本の建築家デビューの状況は、ヨーロッパの若手建築家から、しばしば羨ましがられたものです。

 

 デビューというものは最も過酷なフィルターですから、その条件に適応するのは仕方ありません。その結果、質重視のヨーロッパのデザインに比べて、極めて理念が重視される、世界的に見ても珍しい日本特有のデザイン状況が生まれました。昨今の生活環境に質を求める社会と、ある種の建築家の理想の齟齬は、社会問題として顕在化した感がありますが、「デビューの条件」にもその大きな要因があるのでしょう。

 

 その質重視の社会の要請は、ストック活用時代の到来とともに更に強まっていますが、これに応答するのが、このラ・アトレのリノベーションデザインコンペティションなのだと思います。学生という、これからデビューしていく建築家の卵たちに、質を問われるリノベーションデザインという登竜門を用意する。単なる良いインテリアデザインをひとつ実現することを越えた、ヨーロッパ型の質重視のデザイン潮流を日本に根付かせる試みとしての意義があるのです。

 

 

□個別評:「質」と「方法」の両立

 

 このコンペでは、この国にとって馴染みのない時代であるストック活用時代において、みなが使える方法論や理念を提示するという、これまで我々が得意としてきた「普遍性」という要素に加えて、確かに豊かで美しい現実環境を実現するデザインであるかどうかという「質」という要素の二つの側面から、私は評価を行いました。

 

 最優秀となった「窓に暮らす」は、どのようなリノベーション案件にも確実に存在する「窓」を主題とし、それがつくる光の濃淡や景色の広がりといった多様な場所性を、床レベルを様々に操作することで丁寧に拾い上げ、豊かな住環境を実現するというもので、「普遍的方法」と「環境の質」の両者がバランス良く提案されたデザインでした。

 

既存躯体は建築的に見れば地形のようなものです。この地形をよく読み込んでそれを最も生かすようにデザインを考えるのは建築の王道ですが、これをインテリアの手法へと転化し、方法として明瞭に提示した点を評価しました。

 

今後、実際に案件に訪れて、さらに環境の情報を得た時、プランもそれに即して変わるでしょうが、それを恐れず、豊かな質を実現する普遍的な方法、としての価値を証明してもらいたいと思います。

 

 

 実質3位で原田賞の「嬉々として住まう」は、テラスまでを含んだのびやかで居心地の良さそうな空間構成だけでなく、作り方やコスト感まで目端の行き届いたレベルの高い提案でした。

 

その模型もプレゼンテーションボードも、そのまま案件のコマーシャルに使用できるほどの完成度で、高く評価できるものでした。ただ少し、残念だったのは、魅力的な点景を取り去った後に残る、無垢の状態での現実の環境の質がさほど魅力を持っていなかったことです。

 

素材の選択や厚み、発生する入り隅や影の部分への配慮。これら実環境への感度が保証される言葉か絵が欲しかった。世田谷という土地柄や価格帯からすると、受け入れられにくいチープさ(状況によってはメリットですが)は気になったところです。

 

 

 最も印象に残った案は実は2位だった「出窓の家」です。

テラス側の窓付近に2畳に満たないほどの高品質な家具的な居場所をインストールする。ただそれだけにデザイン操作を限定し、その質を究極的に高めることで、空間的には他の領域をも豊かな場所性の内に取り込み、時間的には新契約毎に刷新されずに引き継がれるヴィンテージ性を賃貸住宅に実現しようとする、とても野心的な提案でした。

 

一点豪華主義的なコスト配分は良いが本当に高い質が実現されるのかについての保証、また、インストールされた部分から遠い空間の環境の質が果たして良くなるのかへの言及、に不足があったため、惜しくも2位でした。しかし、その問題設定と方法の提示の鮮明さは見事でしたし、リスクをとって大きく跳ぼうとする姿勢には共感を覚えました。

 

 

 他にも多くの優れた提案がありましたが、紙幅はとっくに尽きていますので割愛します。いずれにしても、集まった作品群の高いレベルと熱量とは、このストック活用という機会が、私たちが生きている「この世界の質」を高めていく契機となるだろうことを、信じさせてくれるものでした。このコンペティションの継続と成熟がいずれ世の中にもたらす成果に期待したいと思います。

(原田真宏 MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO主宰建築家/芝浦工業大学 准教授)

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2015年

8月

30日

本多 健  本多健建築設計室 /建築家

このコンペの企画に関わって、2年が過ぎます。初年度は検索サイトに支配されている賃貸市場をテーマにし、今年は、ワンルームの新しい解釈を求めていました。どちらも不動産賃貸の「常識」とか、「一般的」という名の呪縛からの開放を模索してきました。答えの定まっていないこの設問に今年は150以上の学生が参加し、挑戦してくれたことを大変うれしく思います。

  

Share House2                           

今の常識の外にあるモノから考えることで、もしかしたら新しい未来の常識が生まれるのではないか? 私は、こんなデザインプロセスが好きなのですが、そういった意味で、Share House2は、ワンルームに、3人で住むという非常識極まりない提案の中に、「夜寝るだけのワンルーム」、「つながりを求める若者」、「低所得者層の増加」など、社会問題も見え隠れしていましたし、応用範囲も広いとひそかに期待していました。

  

ただ、非常識を補うだけの建築的なアイデアを提示し、快適であるとか、魅力的であるというレベルには達していなかったのが残念です。

まだ学部2年。切り口をより鮮明にするプレゼンと建築的な設計手法を身に付けて、次回もチャレンジしてほしいと思います。

 

「seta house -出窓の家-」

ワンルームの中に、前の居住者の跡を残し、使い続けていく家具の様な1室(「出窓」)を挿入する案で、原状回復という不動産業界の常套手段に対して、新しい方法を提示している点で高く評価しました。

 

そして、出窓というタイトルの付け方や、出窓以外を改修しないという予算配分、世田谷の地域性を取り込むなど、緻密な戦略が見え、プロ顔負けの設計&プレゼンと言えるでしょう。

 

書院造建築の付書院の様に、時代を代表するような汎用性に可能性を感じつつも、最後まで魅力を感じなかったのが、プランでした。広いテラスとリビング・ダイニングが、この「出窓」によって分断されてしまいますし、書斎としての魅力を感じなかったのが残念な点です。

 

資質十分な優秀な3人です。これからさまざまな建築的な経験を積み、社会を変えるような作品を作り上げてほしいと願っています。

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2015年

8月

29日

伊藤 暁   伊藤暁建築設計事務所 / 建築家

「出窓の家」

マンションの一室という限られた場所、限られた予算、賃貸という条件の中で、「家具的な空間の挿入」という最小限の操作で最大限の効果を獲得するという手法の提案は、冷静かつ的確な視点を持った優れたものである。

室内面積に対して広いテラスを持つという建物のコンテクストを読み取り、「出窓」という空間言語に翻訳している点も高く評価できる。家具よりも少し大きく、インテリアよりは少し小さい提案の大きさは、そのスケール感も絶妙である。同時にこの手法は今回の計画のみならず様々な案件に適応可能な汎用性を持ち、ストックの活用といった昨今の社会的課題への回答としても非常に示唆に富んでいる。

ただ一方で、提案範囲を絞るということは、アイデアそのものよりも提案した「モノ」が評価の対象になってしまうことが避けられない。今回はアイデアコンペではなく実施コンペである。アイデアのクオリティとモノとしてのクオリティ、その両方が案の強度となる。今回の提案は、学生故の経験の少なさが、私たち審査員を納得させるクオリティに至らなかったことが悔やまれる。

 

 

「暗がりに住む」

立地や居室の面積などによって想定される住まい手の生活スタイルから、「日の出ている時間はほとんど外にいる」というキーワードを導き出し、「暗いこと」を前向きに評価し、デザインに持ち込もうという視点がとても面白い。日光の動きと、それによってもたらされる光の様相を丁寧に取り扱い、一般的にはマイナスに捉えられがちな点を積極的に取扱う姿勢は、美しいドローイング、「あさぼらけ書斎」や「夕暮れキッチン」といったネーミングも相まって非常に魅力的に見えた。二枚の壁で空間を分節するだけで多様な光と闇との戯れを実現している手法も、シンプルで強度がある。惜しかったのは、暗がりに注視するあまり、玄関に入ったらいきなりベッドが置いてあったりと、そこで行われる「生活」への視点が希薄に見えてしまった点である。それぞれの断片のシーンは非常に魅力的であったが、その総体としてのシークエンシャルな体験にまで思考が及んでいることが重要であろう。

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2015年

8月

28日

多田君枝 インテリア雑誌コンフォルト編集長

「土間と居間のある部屋」

 

 全体を通して印象的だったことのひとつが、土間や縁側をテーマにした提案の多さだった。バリアフリー推進の後押しもあって、床はとにかくフラットで均質にするのが、いまやあたりまえとなっている。とくに賃貸の集合住宅で、意識的に床に段差をつけている例は少ないだろう。しかし日本の住宅はもともと、土間、板間、座敷、というように、床のレベルや床の素材の差で空間を性格づけてきた。そんな手法が復活すればおもしろいと思う。

 

「土間と居間のある部屋」はまず、本や食器、植木鉢など、カラフルなイラストが細かく書き込まれていて目を引いた。「こんな風に暮らせたら楽しそう」というイメージがわかりやすく伝わってきた。

 西面いっぱいに長いワークトップを設け、キッチンとデスクを兼ねる。床は玄関から続く土間で、そのままテラスに出られる。寝るときには一段上がったフローリング部分に布団を敷く。つまり、壁や建具がなくても、空間がゆるやかに仕切られている。寝る場所が無防備に見えるが、それは住み手の工夫で解決しそうだ。

ただ、冷蔵庫と洗濯機の場所が考えられていないのはマイナスポイントだ。ワークトップの下に設置できるかもしれないが、そういった機器は高額なので現実的ではない。こういう欠点はあったものの、表現のうまさという点で、本作が高評価となった。

 

 

 編集的な視点で全体を見回すと、一見もっともらしく見えても、タイトルや文章と図面やスケッチの内容が隔たっていたり、箇条書きのスタイルで書かれていても各レベルがバラバラだったり、意味のない繰り返しがあったり、という応募作が目についた。そのあたりも整理、吟味し、何をもっとも主張したいのかを突き詰めると、もっとよいプレゼンテーションになるのでは、と感じた。

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2015年

8月

27日

柴田木綿子 しばたゆうこ事務所  / 建築家

建築の寿命が年々延びていくという状況下でも、インテリアは時代の変化によって否応なく更新させられる。器である建築の寿命が尽きるまで、時代の変化に翻弄されながら繰り返し更新されたインテリアデザインは、新たな生活スタイルを知として蓄積し、器が生まれ変わる際にそれを持って器に変化を促す。

インテリアデザインは建築を感化する。居住という精密な審査を受ける住居においては、より顕著に。インテリアは儚い寿命の中でそんな役割を持っていると思う。

 

最終審査は、甲乙つけがたい状況に難航しました。

優秀な案がたくさんある中で、最優秀案が高く評価されたのはこの発想が持つ秘めたる可能性だと思います。大小様々な形の開口部をもつこの物件に沿った提案でありながら、その開口部に対する視点は、建築設計にもフィードバックし得るものであると感じました。

 

「ENGAWA」

 

日本建築の伝統的空間要素を利用したENGAWA案は、浴室周りの抽象度の高さが懸念事項であったが、内外に渡る縁側のシークエンスがこの物件の特徴であるいびつな平面形状を縁側空間の変化として絡めとりながら、広くはないこの物件に「距離」という豊かさを与えている興味深い提案でした。

 

「ワンルーム路地」

 

ワンルーム路地案は、三面開口に対するポジティブな壁の配置が作る明快な空間が強く印象に残り、一次審査の通過となりました。生活に対する緻密さに関しては、更なる飛躍に期待します。

 

 

提案の中には、居住性に対して素っ気ないと思えるものもありました。でも、もしかしたら将来的にこの価値観はスタンダードになるのかもしれない。遠くはない未来で、新しい世代の考える多様な生活スタイルが現実化し、目にすることを楽しみにしています。

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2015年

8月

10日

2015 公開二次審査

8月10日

公開二次審査が行われました。

 

1チーム5分のプレゼンテーションと

5分の質疑応答によって、全8組の審査を終え、ゴールド賞(最優秀賞)シルバー賞(次点)ブロンズ賞が決定しました。

ゴールド賞

(最優秀賞) 53 小川ルビ 小関眞子 日本大学 
         「窓に暮らす」

 

シルバー賞  72 石毛龍 内田健太 森田千尋  芝浦工業大学
+本多賞     「seta house -出窓の家-」

 

ブロンズ賞  37 今尾僚兵 森孝太 静岡文化芸術大学

         (Share House)2

 

ブロンズ賞  40 横江優太 首都大学東京

+柴田賞     [ENGAWA]

 

ブロンズ賞    46 西島修吾 敦賀谷俊 村田晧平 
+原田賞      小林拓生 小山恭史          日本大学

+アトレ賞         嬉々として住まう-二枚の板が織りなす豊かな空間-

 

ブロンズ賞    63 久保晶子 大坂市立大学

+多田賞      土間と居間のある部屋

  

ブロンズ賞    82 下釜健吾 佐藤優祐 名城大学

          ワンルーム路地

 

ブロンズ賞   152 今井琢也 郭寧  東京大学

+伊藤賞       暗がりに住む 

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2015年

7月

20日

公開二次審査のお知らせ

公開二次審査のお知らせ

 

810日(月)に公開二次審査を開催いたします。

閲覧をご希望される方はお問い合わせフォームよりお申込みください。

http://www.sumu-katachi.com/%E3%81%8A%E5%95%8F%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B/

 

公開二次審査の概要

 

日時:2015810日(月)12:0016:00

会場:東京都港区海岸178 港区立商工会館 6階 研修室

 

一次審査通過作品:

37 (Share House2   

      今尾 僚兵 森 孝太            (静岡文化芸術大学) 

40 [ENGAWA]    

      横江 優太(首都大学東京)

46 嬉々として住まう-二枚の板が織りなす豊かな空間-

   西島 修吾 敦賀谷 俊 村田 晧平 小林 拓生 小山 恭史(日本大学)

53 窓に暮らす     

      小川 ルビ 小関 眞子       (日本大学)

63 土間と居間のあるへや  

      久保 晶子               (大阪市立大学)

72  seta house-出窓の家-  

      石毛 龍 内田 健太 森田 千尋 (芝浦工業大学)

82 ワンルーム路地       

      下釜 健吾 佐藤 優祐        (名城大学)

152 暗がりに住む        

      今井 琢也 郭 寧           (東京大学)

 

公開二次審査は8組のファイナリストによるプレゼンテーション形式でいます。

 

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2015年

7月

10日

一次審査通過者

この度は第2回ラ・アトレ学生実施コンペ2015「すむ×かたち」に
沢山のご応募を頂き、誠にありがとうございました。

7月7日に行いました一次審査の結果、
8点の1次審査通過作品が選出されました。


1次審査通過者(受付順、敬称略)

37 今尾 僚兵 森 孝太         静岡文化芸術大学
40 横江 優太              首都大学東京
46 西島 修吾 敦賀谷 俊 村田 晧平
  小林 拓生 小山 恭史       日本大学
53 小川 ルビ 小関 眞子      日本大学
63 久保 晶子            大阪市立大学
72 石毛 龍 内田 健太 森田 千尋 芝浦工業大学
82 下釜 健吾 佐藤 優祐      名城大学
152 今井 琢也 郭 寧        東京大学

以上の皆様です!
通過者へは近日中にメールにて2次審査の詳細を送らせて頂きます。


8月10日に行われる公開2次審査にて最優秀賞を選定します。
また、2次審査は会場の都合で人数の制限があります。...
当サイトの「お問い合わせ」から観覧希望の予約をしてください。

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2015年

6月

01日

脇田社長インタビュー2015




本多:第二回コンペが開催するはこびとなりましたが、ラアトレさんにとってのこのコンペはどのような位置づけとなりますか?

 

脇田: 大きくは、社会貢献活動の一つととらえています。

「アイデアコンペ」と違い、「実施コンペ」ですので、実社会との接点が生まれます。
こうした学生が参加することができ、社会と接する機会を作ることが大切だと考えています。

 

本多:どんなアイデアを期待しますか?

 

脇田:昭和から平成になって、社会の流れも移り変わってきています。

昭和は個・個室を重んじる文化があったと思いますが、

平成では、再度、家族や、人との交わりが見直され、住み方が変わってきた実感があります。

そんな新しい住まい方を見てみたいですね。

 

本多:今年の課題は社長推薦の「ワンルーム」です。

確かに単身世帯の増加、世帯の細分化、独居老人等、様々な社会現象の舞台となっていますが、何か感じるところがあったのでしょうか?

 

脇田:特に単身者世帯に関しては、今までの単一的な概念ではない、

新しい形の住まい方が出てくる可能性が高いと確信しています。

そういったところも踏まえ、時代を半歩リードした提案があれば、

住宅産業に関わる人間として、我々もやりがいのあるものになると思っています。

 

本多:最後に、学生に一言お願いします。

 

脇田:アイデアは誰でも思いつきます。でも、それをきちんと形にすることが重要。

社会の中でも事業アイデアは出すことができても、それをビジネスにまで昇華しなくては意味がない。「アイデア」と「実施」の違いを、ラアトレのコンペを通じて、学んでいただきたいと思っています。


インタビュー:本多健/本多健建築設計室


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2015年

4月

13日

コンペ座談会

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2015年

4月

06日

第二回ラアトレ学生実施コンペ開催

本日より第二回ラアトレ学生実施コンペを開催します。

場所は世田谷区瀬田。用賀駅、上野毛駅、二子玉川駅の3駅利用できるマンションの一室。ここを自由な発想でリノベーションしてみませんか?

建築を学ぶ大学生、大学院生はもちろん、専門学校、家政学科、住居学科も大歓迎。一番身近な「すむ」ことを考え、新しい「かたち」にしてみてください。応募期限は6月22日。是非参加してみてください。

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2015年

1月

05日

2014年 作品紹介

ゴールド賞

(最優秀賞) 94 澤田遥香 近畿大学

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2014年

8月

21日

総評  審査員長 原田真宏

 

「建築はできてしまう」

 

 

この馬鹿みたいに当たり前な事実が、「建築」の初期設定をしているような学生時代には、まったく「当たり前」ではない。

だから、今回のような「学生実施コンペ」は特殊な響きを伴って受けとられる訳です。

 

学部での4年間、建築は現実には建ち現れないものです。当然ですが、どの設計課題も実際には建設されない。

そのような状況下で建築の能力を周囲のライバル達と切磋琢磨しながら築き上げて行くうちに「現実化されない建築」に適応、或は建築の世界はとてもコンペティティブな状況ですから、しばしば「最適化」してしまうものです。

 

その結果、建築人のデフォルト設定として、「現実化されない建築」が意識の中心に据えられてしまう。言い換えれば、現実化されなくとも評価される部分、つまり「概念としての建築」が「建築の本質」と取り違えられてしまう傾向が、特に日本の学生には少なからずある。これは本人にとっても、社会にとっても、悲劇だと言っていいでしょう。

 

 

 

そこで、今回のコンペのテーマは「1/1」です。

これは、1/1の現実世界そのものをデザインの対象とする、ということ。つまり「できてしまう建築」の設計です。

概念として面白いだけでは不十分。現実の世界が良きものとして立ち現れるか、否か、が問われています。


今回の最優秀と優秀の2作品は共に1/1の世界を作るという事に対して正面から向き合った作品です。馬場さんの優秀作はどのような素材がどのように組み上げられて排気ダクトはどこを通って、というような「モノの構築」としての1/1のリアリティが非常によく考えられていました。第二次のプレゼン審査での立ち居振る舞いからみても、良いモノが完成されるだろう事が確信され、高く評価されました。

 

澤田さんの最優秀作は、将来そこで行われることになる1/1の生活経験が作者の高い感度によって「空間の構成」にうまく転換されていました。長い時間を過ごすことになるアイランドキッチンを明るい南側のテラス際に配していること、そのアイランドの影をかわすように床高に設定された「寝間」を部屋の中心に配置して、広い/狭い、明るい/暗い、等と変化のあるシークエンスをワンルームの中に折り畳んでいることなど、豊かな生活経験への想定が図面から見て取れました。天王町という場所柄、都内の一人暮らし用アパート程度の家賃で、40m2程の面積を一人で占有できるという、空間的な余裕のある状況の可能性に気付き、それを最大限引き出そうと思考した事に勝因があったのかもしれません。

ただ、馬場さんとは違って空間構成を現実化する素材や工法等の構築的側面への意識の不足は否めないので、この面での成長は今後に期待したいところです。


その他にも多くの気になる提案がありましたが、たとえば原田賞となった林原孝樹さんの共用廊下から引き込まれた土間を持つ提案や、村上歩さんのテラスとリビングの中間的な空間を作り上げる案など、「1/1で実現する」という事実に対する責任と、それだからこそ得られる「質」に、正面から向き合った提案が高く評価されました。

 

 

「できてしまう建築」


この恐ろしくも大変に魅力的な事実と向き合う事で、みなさんの建築的デフォルト設定に何らかの良き変化が芽生えることを願っています。

 

原田真宏

 

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2014年

8月

20日

総評 植美雪 

回のコンペは、不動産会社のラ・アトレさん主催の「学生実施コンペ」ということで、建築的に面白く、かつ実際「1/1」でたち上がったときに良い空間であるか、また完成した後、不動産として借り手がつく提案であるか、など「アイデアコンペ」とは違う様々な審査基準から審査していきました。

 

学生時代、設計課題などを通して設計の力を付けていく訳ですが、「実際に建たないのだから」とか「アイデアとして面白ければ良い」とリアルからは目を背けている人は少なくないような気がします。設計する力が急成長する学生時代、リアルに重きを置き過ぎるのは好ましくないのかもしれませんが、アイデアとリアルを切り離して考えるべきでなく、リアルを考えたアイデアに魅力があると感じます。

 

今回の募集は、「実施コンペ」なので、まずリアルを考えないといけない。これは学生時代ではあまり無い機会ではないでしょうか。提案された多くの案は、アイデアを実現するための考えが表現されており、魅力的な案が数多くありました。

 

その中でも最優秀を勝ち取った澤田さんの案は、今回の部屋の立地や大きさに対して、素直に設計されており、図面からも模型からも実際できあがったら気持ち良い空間になりそうなことが伝わってきました。工法も難しいことはしていないので、恐らく殆ど提案された状態のまま実現できるのではないでしょうか。きっと良いモノができると確信していますので、頑張ってもらいたいです

 

植賞となった内田さん、森田さんの案は、ただ壁を斜めにするだけという案で、シンプルな操作で空間に変化をもたせたところが、やり方としてスマートで建築的にも面白く、その点で高く評価されました。牧さんの案は、間仕切りを全てカーテンで仕切る提案なのですが、仕切り方が平面を田の字に切っており、この潔さに好感を持ちました。

 

このコンペを通してリアルを考えながら設計した経験が、今後のみなさんの設計の良いきっかけになればと思ってます。

 

植美雪

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2014年

8月

04日

最優秀賞決定

8月1日12:00より、7組のファイナリストのプレゼンテーションが行われ、同日最優秀賞および各賞を以下の方々に決定いたしました。(審査員特別賞が設けられました)

 

ゴールド賞

(最優秀賞) 94 澤田遥香 近畿大学

 

シルバー賞  43 馬場智嘉 京都市立芸術大学

 

ブロンズ賞  23 澁谷達典 東京大学

         58 鈴木愛子 東京工業大学

         90 牧佑育    近畿大学

         92 手銭光明 近畿大学  

       104 内田健太 森田千尋  芝浦工業大学

 

原田賞    18 林原孝樹 熊本大学

ラアトレ賞  108 村上歩      京都芸術デザイン専門学校

伊東賞    63 種村和之 東京大学

植 賞    104 内田健太 森田千尋  芝浦工業大学

本多賞    23 澁谷達典 東京大学 

 

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2014年

7月

28日

ファイナルを逃した作品

第一回ラアトレ学生実施コンペの2次審査(8/1)が近づきましたが、 惜しくも2次審査を逃した案をいくつかご紹介したいと思います。
 
■林原孝樹            熊本大学
■河部圭佑 江島史華       横浜国立大学

■松井理紗 鳥居岳 越智彩乃    名古屋市立大
■大坂谷一平            桑沢デザイン研究所

■村上 歩             京都芸術デザイン専門学校
■高土和樹             東京電機大学
 
FBで公開しています。
8/1の公開審査は事前登録が必要です。
お問い合わせフォームより登録してください。
 
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2014年

7月

07日

1次審査通過者発表

 

この度は第1回ラ・アトレ学生実施コンペ2014「すむ×かたち」にご応募頂き、
誠に
ありがとうございました。

 

72日に行いました一次審査の結果、7点の1次審査通過作品が選出されました。

8月1日に行われる公開2次審査にて、実施される最優秀賞を選定します。

また、2次審査は会場の都合で人数の制限があります。

このサイト内 「お問い合わせ」から観覧希望の予約をしてください。

 

 

1次審査通過者

23 澁谷達典       東京大学

43 馬場智嘉       京都市立芸術大学

58 鈴木愛子       東京工業大学

90 牧佑育        近畿大学

92 手銭光明       近畿大学

94 澤田遥香       近畿大学

104 内田健太 森田千尋  芝浦工業大学

 

※作品番号は到着順に事務局にてつけさせていただきました。

作品の講評、審査方法等はFBで後日公開します。

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2014年

6月

23日

ありがとうございました。

たくさんのご応募ありがとうございました。

1次審査通過者には7/4頃連絡させていただきます。

また、8/1の2次審査(公開審査)のご案内と、

作品展示のご案内は、このHP、およびfacebookで

発表させていただきます。

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2014年

6月

16日

修正

公式HP内一点修正です。
提出物/提出方法のところで。
「作品登録票」と書いてしまってますが、

これが、
ダウンロードのページにある...
「応募用紙」のことです。(現在修正してあります!)

○ダウンロードのページ
「応募用紙」

○提出物/提出方法のページ
「作品登録票」

「応募用紙」=「作品登録票」です。

提出物は、
1.提案書A3×2枚
2.作品登録票(応募用紙)A4×1枚
となっています。

既に郵送されてしまっていて、「応募用紙」が入っていない方は、お手数をおかけしますが、追加で「応募用紙」の郵送をお願いします。

(入賞された際に、連絡先がわかりません)


まだ、送られていない方は、上記内容を確認の上、郵送願います。
よろしくお願いします。

 

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2014年

5月

16日

注意

コンペ座談会の中で、既存とのつながりという話があったので、既存の写真を掲載しましたが、すべてスケルトン状態にしての提案でももちろんかまいません。皆さんの自由な発想でご提案ください。

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2014年

5月

15日

橘樹神社

天王町は、江戸時代東海道の日本橋から数えて4つ目の宿場町、保土ヶ谷宿として古くから栄えている地域です。

 

安藤広重の東海道五十三次の中にも、帷子川(かたびらがわ)と帷子橋が描かれています。

 

現在の帷子川は、度重なる河川の氾濫を抑制するために、新しく通された川であり、描かれた橋があった場所は、天王町駅の南側にある駅前広場付近であったそうです。

 

天王町の名前の由来は、橘樹(たちばな)神社が、その昔、牛頭天王社、天王宮とも呼ばれており、この地域の由来となっているといいます。

 

駅から北側に向かってシルクロード商店街を進んでいくと、右手に大きな鳥居が現れ、その奥に現在も橘樹神社はあります。鳥居をくぐり、2本の石柱と楠の大木が印象的です。

 

 

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2014年

5月

14日

現況図面をアップしました。

本日、実施コンペの室に入ることができました。

コンペ座談会の中で、

「前にあったものとのつながり」

という話がありましたので、現況図面と写真を掲載します。

 

まず、ダウンロードページに

「天王町平面図(05.14)」を追加しましたので、ご確認ください。

 

※注意

 1点、写真の南側の窓ですが、

窓の幅を3200→3460と修正しました。

また、開き方を修正をしました。

左右がFIXとなっており、中央の2枚が引違になっています。

ご注意ください!

 

ダウンロードページよりJPG DXFをダウンロードして

ご確認ください。

写真に関しては、facebookに順次アップしていきます。

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2014年

5月

13日

専門誌掲載

週間住宅新聞様に「ラ・アトレ学生実施コンペ」を取り上げていただきました。

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2014年

5月

12日

インフォメーションサポーター

ラ・アトレ学生実施コンペの広報部門にご協力をいただくことになった、建築学生サークル♭(フラット)さんをご紹介します。

 

建築学生サークル♭さんは、建築/インテリア系の学生なら誰でも加入できる、全国最大規模のインカレサークルで、首都圏45大学の450人以上の学生が加入しています。

 

コンペの参加者が増えることで、より優秀なアイデアが出てくると思い、コンペ情報の拡散をお願いしました。

 

学生が主体となって、学生の為にイベントや課題を企画し、学校の設計課題とは別に、他大学の学生と共に研鑽する姿勢は、ラ・アトレとしても協力したいと思っています。

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2014年

4月

16日

現況写真を公開!する?

[ラ・アトレ コンペ座談会08]
~現況写真を公開!する?~

をfacebookにアップしました。

既存の一部を残したままリノベーションするという選択肢もあった方がよいのでは?という話になり、現況の写真をアップすることになりました。

しかし、現在は入居者が居るため撮影ができません。

なるべく早い時期に公開したいと思います。

https://www.facebook.com/sumukatachi

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2014年

4月

09日

審査基準

[ラ・アトレ コンペ座談会07]
~審査基準~

座談会の話題は、学生コンペの話になり、

審査の基準の話にまでなりました。

建築を学んでいる学生さんだけでなく、

インテリア、空間デザインを学ぶ皆さんにも、

参加していただきたいので、是非読んでみてください。

 

 https://www.facebook.com/sumukatachi

 

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2014年

4月

08日

美学を鍛える場

[ラ・アトレ コンペ座談会06]
~美学を鍛える場~

審査員の伊東さんが、学校を卒業して最初の物件は、

なんと離島 八丈島。

八丈島には建築家が建てた建物はないし、工務店もない。

そんな話になりました。

https://www.facebook.com/sumukatachi

 

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2014年

4月

07日

おじさんに会うこと

[ラ・アトレ コンペ座談会05]
~おじさんに会うこと~

facebookを更新しました。

実施という1/1の設計を通じて、得られるモノは、

なかなか学生時代には手に入れられないものです。

https://www.facebook.com/sumukatachi

 

 

 

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2014年

4月

03日

心情の機微

[ラ・アトレ コンペ座談会04]
~心情の機微~
(「理念の空間」と「現実の空間」の違いの話の続き…)

学生時になかなか接することのできない

施主との関わりの中で、

「1/1」を作り上げること。

 

そこから得られる

「1/1」の効用の話題になりました。

 

https://www.facebook.com/sumukatachi

 

 

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2014年

4月

02日

「理念の空間」と「現実の空間」

[ラ・アトレ コンペ座談会03]
~1/1~

 

facebookにアップしました。

学生を対象としたアイデアコンペではなく、

実施コンペであることは、1/1の空間を考えなくてはなりません。

今回は、審査員の植さんの学生時代と最初の1/1の空間

との出会いを掲載しています。

https://www.facebook.com/sumukatachi

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第三回 ラ・アトレ学生実施コンペ 2016 「すむ+かたち」×自由が丘

 

ライフスタイルの多様化が進む今、これからの賃貸住宅には、

既成概念にとらわれない新たなスタイルが期待されている。

 

例えば、「1階の部屋」は敬遠される現状であるが、

多様なライフスタイルが考えられる今こそ、

その「弱み」を「強み」に変えられるかもしれない。

 

物件の持つ負の要素を、

如何にプラスに変換できるかが、

今後の賃貸住宅にとって大きなテーマとなろう。

 

今年の改修物件は、世田谷区「自由が丘」とした。
駅にも近く、住宅はもちろんソーホーとしても

良いものとする。

 

どんな人が住み、どんな住まい方をするのかは、各自で設定し、

魅力的な住空間を、自由な発想で考えてほしい。

ただし、収益物件である以上、投資と回収を意識することも必要だ。

 

「すむ」という当たり前の行為を見直すことで、

これからの賃貸住宅に何が必要かを「かたち」にして提案して欲しい。

●審査員
審査委員長
原田 真宏  MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO /
       主宰 建築家/ 芝浦工業大学教授
審査員
高野 洋平  MARU。architecture / 建築家
多田 君枝  コンフォルト編集長

中川エリカ  中川エリカ建築設計事務所 / 建築家 
本多 健   本多健建築設計室     / 建築家
脇田 栄一  株式会社ラ・アトレ  代表取締役

50音順 敬称略

第二回 ラ・アトレ学生実施コンペ 2015 「すむ+かたち」×世田谷

 

都市部の賃貸市場で半数を占める1Kとワンルーム。
しかし、そのバリエーションは少なく、

近年の多様なニーズには対応できていない。
魅力を失う多量の賃貸物件。
今、その活用手法が問われている。


元来、資産価値を失った賃貸物件は、建て替えによってリセットされる。
しかし、ストック社会へ変遷する現代において、
改修による再生 / 更新は時代のニーズに応えた良策と言えよう。


今回、東京都世田谷区にある賃貸マンションの1 室の改修を計画しており、
実施コンペのテーマを「世田谷」×「すむ+ かたち」とした。


どんな人が住み、どんな住まい方をするのかは、各自で設定し、
魅力的な住空間を、自由な発想で考えてほしい。
ただし、短期間で陳腐化してしまう提案では

投資事業としての説得力を持たない。


「すむ」という行為を見直し、地域や社会に目を向け、
単身者世帯等のこれからの住まい方を予見した、
賃貸住宅の「かたち」を提案してほしい。

●第二回審査員
審査委員長
原田 真宏  MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO / 主宰 建築家/ 芝浦工業大学准教授
審査員
伊藤 暁   伊藤暁建築設計事務所 / 建築家
柴田 木綿子 しばたゆうこ事務所  / 建築家
多田 君枝  コンフォルト編集長
本多 健   本多健建築設計室     / 建築家
脇田 栄一  株式会社ラ・アトレ  代表取締役

50音順 敬称略

第一回 ラ・アトレ学生実施コンペ 2014 「すむ+かたち」×横浜天王町

 東京都内だけでも約280万戸ある賃貸住宅のうち16%が空き家になっている。およそ45万戸という膨大な数ではあるが、端末機器やアプリの進化によって、部屋探しに欲しい情報は簡単に入手可能だ。

 

しかし、探し方が日々進化する一方で、ネットに検索されやすくすることを目的とした、安易な「検索の為の改修」が常套化している。
  
 便利な設備は増えたが、住まい方や住まいそのものは、ほとんど進化をしていない。

 

 今回、リノベーションを予定している賃貸住宅では、検索の為ではない、自由な発想で、魅力的な提案を求めたい。

 

 どんな人が住み、どんな住まい方をするのかは、各自で設定してほしい。また、収益物件である以上、投資と回収を意識することも必要だ。つまり、デザインだけではなく、素材や、ターゲット設定、想定賃料、募集方法なども提案することが望ましい。

 

 「すむ」という行為を見直すことで、地域や社会に目を向け、今、賃貸住宅に何が必要かを問いたい。
  そして、その必要を「かたち」にし、リアルな人間を内包する1/1の空間を提案してほしい。

審査委員長  

    原田真宏 MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO 主宰 建築家 / 芝浦工業大学准教授  

     審査員 

    伊東 裕 SOL style  / インテリアデザイナー 

    植 美雪 建築設計事務所 可児公一植美雪 / 建築家 

    本多 健 本多健建築設計室   / 建築家 

    脇田栄一 株式会社ラ・アトレ代表取締役

 

コンペ開催について 2014/3/28         

ラ・アトレ代表取締役 脇田栄一

     ×  本多健/本多健建築設計室


 

 

 

本多 まず、コンペの審査員のご依頼ありがとうございます。 

 

プロポーザルコンペなど、出す方は毎年挑戦しているのですが、

審査する側は初めてですし、全体のコーディネートもお受けしておりますので、

なんとか、任務を全うしたいと思っています。

 

今回、このような場を組んでいただいたのは、

ラ・アトレさんにとっても初めてのコンペ開催ということで、どういった意図があり、どんな案を期待しているのかお聞きしたいと思ったからです。

 

私もそうですし、参加を考えている学生さんにも興味があるところだと思いますので、そのあたりを中心にお聞きしたいと思います。

 

はじめに、主な事業を教えていただけますか?

 

脇田 新築不動産販売事業・再生不動産販売事業・不動産管理事業を主軸としながら、不動産に関わる全ての事業を行っております。

 

また、子会社である株式会社ラ・アトレレジデンシャルとの連携により、物件の企画・開発から販売まで一貫した事業展開をすることで、お客様のニーズを現場にフィードバックできる仕組み作りもしています。

 

本多 企画から販売、管理まで社内で行うというのは、近年の企業には珍しいですね。

最近ゼネコンでも分業・外注ばかりで、全体を俯瞰できる人材が不足していますから、時代に合っている気がします。

本多 今回リノベーションのアイデアを学生から募集しようと思ったきっかけはなんでしょうか?

 

脇田 「既成概念にとらわれ利益を追求する社会人」と「夢や理想・未来イメージを形にする学生」そんな化学反応を試してみたいと思い学生コンペを主催しました。

 

本多 「既成概念にとらわれ利益を追求する社会人」ってアトレさんの社員さんのことですか?だいぶマイナスな印象に取られてしまいまいますよ(笑) 

「不動産事業の専門家」と「夢や未来を形にする学生」のコラボレーションくらいにしておきましょう!

 

脇田 そうですね(笑)

我々には不動産事業主の立場での、マーケティングや収益事業のノウハウがあります。

また、学生には我々には無いデザインがあり、既成概念にとらわれない新鮮な発想があります。

夢を語って自己主張もするけれど、利益を追求する相手の意見も取り入れつつ、一緒に「選ばれる物件」を創りだしていくそんなことを思いから企画をしました。

 

本多 再開発が次々完成する中、中小ビルの空室率は都市部でも上がってきています。今回、リノベーションのコンペということで、ストック活用時代の有効な手法を探るとても良い機会と思っています。

ラ・アトレさんは、リノベーション物件を扱う際に、どんなスタンス(考え方)をお持ちですか?

 

脇田 弊社は中古(築古)物件も積極的に取り扱っています。

古い物件に、新しい設備、技術、知恵を加え、更なる価値をプラスし、お客様に喜んで頂く為のリノベーションに取り組んでおります。

 

中古物件にはそれぞれ特徴があり、時には問題視されるような欠陥もあります。

 

経年劣化によるものは新しくすることで解決できますが、構造的な事になるとお手上げです。

 

ただそこで諦めるのではなく、知恵を出し合い、弱みを強みに変えていきます。

また、古い建物からは想像できないような「魅力的な空間」を創りだし、ギャップを与え、新しい生活を踏み出す第一歩をお手伝いし、事業を通して出会う事が出来たお客様とのご縁を大切にしながら、WIN-WINの関係を楽しむように心がけております。

 

本多 リノベーションならではの「魅力的な空間」と、人との「出会い」が大切ということですね。

 

「リノベーションならでは」ということに関しては、確かに、新築の様にいくら直しても、新築で無い以上、「古い」というハンデはそのまま残ってしまいますから、そうではない方法によって、らしさを出すことは大切なことだと思います。

 

脇田 「賃貸住宅」のリノベーションは、新築も含めた多くの物件から、一般の居住者に選ばれる必要があります。それに、予算もある。この部分は、事業である以上、外せないことです。

 

本多 そうですね。社会を変える大発明も、住む人に嫌われたら広がりません。それに、収支があるのが、賃貸住宅の特徴です。

 

そのあたりは、審査で気を付けたいと思います。

 

少しだけ、ここで学生にアドバイスすると、

最初から予算を気にしてケチケチすることは無いと思います。

必要のあるものは、提案に盛り込むべきです。

最終的に実施段階で、予算的に取捨選択しなければならないことにはなると思いますが、きっとその「選択」、「決断」こそが、実施の醍醐味といえます。

 

本多 最後に、参加される学生に向けて、一言お願いします。

 

脇田 自分で実際に体験したことは必ず糧になります。

協働の中で育まれるバランス感覚、コミュニケーション能力、事業感覚。

 

社会人として必要な能力を体験することで、自信となり、それが表情や言葉として現れ、就職難の時代でも、選ばれる人間に一歩近づくと思います。

 

希少な社会経験の場として弊社を活用してみてはいかがでしょうか?

 

本多 ありがとうございました。

企画:株式会社HOOP

主催 :株式会社ディタディアス

共催 :一般社団法人「大樹の芽」

インフォメーションサポーター:     建築学生サークル♭

HOOP企画コンペ

・ラ・アトレ学生実施コンペ

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